解散に向かうラストアイドル・タイランドの状況について見えてきたこと ― マーンムックのライブ配信から

ラストアイドル・タイランド

マーンムックが8月31日のライブ配信で語ったこと

8月24日にラストアイドル・タイランドが11月19日をもって解散するとの発表があってからは初めてとなるマーンムックのライブ配信が8月31日深夜にありました。

2時間半に及ぶライブ配信では、今まで語られることのなかったシングル曲の変更やマーンムックの新事務所とCEOに対する不信感、解散発表時のメンバーの様子のほか、アイドルをすることへの愛情や今後の活動についてなど、グループの状況を垣間見ることのできる重要な話が飛び出しました。

そこでライブ配信内容のうち私が重要だと判断した箇所を要約したうえ、箇条書きでお伝えします。ところどころで私の注釈や感想を挟んでいきます。

マーンムックのライブ配信要点

  • 初期の頃から2年間、『青春トレイン』のダンスレッスンを全員が受けていた。本当は3rdシングルは『青春トレイン』になるはずだった。
     
    ※この部分の動画を日本語訳字幕付きで紹介しておきます。↓
  • レッスン時に『青春トレイン』をみんなが踊っている動画を撮ってある。機会があれば見せる。
  • 私が出演するTVドラマの撮影を昨年11月から続けてきたが、ようやくクランクアップした。どんなドラマかお楽しみに。
  • 私はどのアイドルグループにも移籍をしないはず。
  • 人生で最も好きな曲はSweat16!の『ウィン!』(วิ่ง! 走れ!)とラストアイドル・タイランドの『バンドワゴン』。いずれもデビュー曲。『バンドワゴン』は初めて聴いたとき自分にとてもぴったりで涙した。
SWEAT16!『ウィン!』
ラストアイドル・タイランド『バンドワゴン』
  • Sweat16!はデビューまでのレッスン期間が長かった。オーディションはBNK48 1期生と同時期だったが、BNK48が先にデビューし、Sweat16!はまだハードなレッスンを続けていた。当初20人いたのがデビュー時には13人になっていた。レッスンがハードなのはNMB48のダンス講師アキラ先生が教えたから。歌の講師は日本人のイリオ先生だった。アキラ先生のレッスンはとてもきつくて、NMB48のダンスが素晴らしい理由が良く分かった。
  • Sweat16!ではレッスン開始前にはRCAを大回り5周走っていた。
    ※RCAとはバンコクにある道路の名称でRoyal City Avenueの略(Google Map)。
  • 私とメンバー達はグループ解散を約2か月前に知った。
  • あのときメンバーの中には空の写真や悲しいストーリーのスクショをSNSに投稿して、心の整理がついていない子もいた。
  • 5人の卒業イベントが中止になって、その月末に解散の知らせがあった。
  • あのとき卒業イベントは延期と中止のどちらかと質問してきた人がいて、私はひょっとしたら規模を大きくして開催するかもと冗談っぽく答えたけど、本当に規模が大きくなってグループ全体の卒業イベントになった。
  • シングルにしようとしていた曲には『大人サバイバー』もあった、私とトンナムがタイ語版のガイド(メンバーが練習時に流すために録音した歌?)を歌って録音した。でも世に出ない。歌詞がいいのでとても残念。振り付けのレッスンもしてあった。
  • 実は当初『大人サバイバー』が2ndシングルになる予定だった。その後変更があり、新たな会社が運営に入ってくるようになってさらに変更があって、2ndシングルが『青春continues』に変わった。
  • その後さらに変更があり、事務所がRabbit Moonになってからもバタバタと変更がありグループ解散が決まった。
  • 多くの会社が関わっていたので、1つの会社よりも物事が決まるのに時間がかかった。
  • アイドルを辞めることは『青春continues』の握手会の頃から考えていた。
  • 2月で私の契約が切れたが、話し合いの末、短期で契約更新をすることにした。
  • 私があのとき契約を更新してい続けていなければ、きっと他のメンバー達も残っていない。3rdシングルもなかった。放り出す訳にはいかなかったので契約を更新した。
  • ラストアイドル・タイランドがなくなったら、今のメンバー全員がRabbit Moonに残るわけではない。T-POPその他のアーティストになる子が何人かいるかもしれないが、事務所がそうするのは資金がかかるのできっと人数は多くない。アイドル路線はもうない。中にはこの道で姿を見られなくなる子もいるかもしれない。心が痛む。でも契約期間の問題は勿論ある。
  • 私の短期契約は10月で契約が切れる。しかし終わりまではやり続ける。契約更新はもうしない。それで自由になるが、他のメンバー達は長期の契約なので、他へ行くことができず、事務所所属のままでなければならない。
  • 私は芸能界歴が長いので多くの方面に知り合いがいる。曲は自分でも作れそうだし、作曲をしてくれる知り合いもいる。俳優やMCの仕事も自分で探せる。YouTuberになってゲーム実況もしたいしできる。
  • 自分ができない唯一のことはアイドルグループをすること。アイドルグループをするうえで自分にはアイドルという言葉とラストアイドル・タイランドは切っても切れない。ラストアイドル・タイランドがなくなるのなら、契約を更新したり事務所にい続けたりする理由はない。だからインスタに「ラストアイドル・タイランドの終了で私がアイドルでいることも終える」と書いた手紙を投稿した。
     
    ※Rabbit Moonとの契約終了後、一定期間はアイドル活動をできない契約になっているということでしょうか? BNK48も契約終了後1年間(全員が1年間だけではない可能性もありますが)はアイドル活動を禁止されていて、曲のリリースができません。ただし他人の曲をカバーして歌って披露することは可能です。マーンムックも似た契約になっているのかもしれません。
     
    マーンムックがインスタに投稿した手紙を貼っておきます。
  • アイドルグループを運営する側になることも考えている。メンバー達が自由になった暁には声をかけるかも。「ハイウェイちゃん、興味ある?」って(笑)。
  • メンバーにはアイドルをとてもしたがっている子が何人もいる。アイドルになりたくてアイドルのオーディションに応募して合格した子ばかりなのに、例えば司会をやらせてなぜできないんだ?とか、色々やらせて、なぜできないのかと言われる。だってアイドルだもん。アイドルとして選んでもらったのであって、司会ではない。みんなができるわけではない。他の路線をさせようとしている。でも私達はアイドルをしていたい。
  • Janはグループ解散の話があった頃とても思い悩んで私によく電話をしてきていた。彼女は保護者をまとめて事務所と話をさせてラストアイドル・タイランドの解散をなんとか食い止めようと努力していた。結局、決定権は私達側にはなく、受け入れるしかなかった。
  • あの人は理解してないし、思い入れがないのかもしれない。最初から私達と一緒に歩んできたわけではなく、初期の私達を目にしていない。だからこうなるのも奇妙な話ではない。
    ※あの人とはおそらくRabbit Moon社CEOのWin氏を指しているのだと思います。
  • メンバー達はクオリティが高く、輝いていてオーラがある。2年後にメンバー達に会ったら「興味ある?」ってスカウトしないとも限らないよ(笑)。
    ※おそらくメンバー達の契約期間は残り2年ということなんでしょうね。
  • 今後Rabbit Moonに残るメンバー達を応援してほしいけど、ある種の感情があってそうもいかない人もいるのは理解している。この機会に北に上る(北部のグループ = CGM48 を応援しに行く)とか、タイには多くのグループがあるので気持ちは分かる。自分が幸せに感じることを優先した方がいい。でも心の奥底でお願いしたいのは「あの子達を助けてあげて」
  • あの人は新しいグループを立ち上げるつもり。そうしたら選ばれた子はRabbit Moonと新たな契約をしなければならず、2年からさらに延長されることになる。誰になるか知らないが、引き続き頑張って欲しい。
  • 私も北に上る準備をしてあるよ(笑)。ファンと一緒に応援したことがないから先輩諸氏のご指導をよろしく。
  • 10月30日で契約が切れたら、私は新たなチャネルを探さないといけない。Sweat16!の時に使っていたSNSアカウントは、Sweat16!が解散する時にくれたので、それをまた使うかもしれない。ツイッターに復帰するかも。YouTubeチャンネルも開設する。
  • 今後私に会う機会があるか心配する声がある。ここにい続けたら事務所がイベントを実施するのを待つしかないけど、今後は自由に自分がイベントを開催したくなれば開催できるようになる。アイドル歴が長いので様々な知り合いに手配できる。ただみなさんが私に会いに来たいか次第。それが唯一の問題。
  • 開催したいのは30回目の誕生日イベント。
  • SNSにも再び積極的に投稿するようにする。TikTokを今ほとんど投稿してないのは、最終的にはアカウントを事務所に返さないといけないから。結局は事務所に渡すのに投稿なんかしてやるものかって恨みの気持ちを込めて(笑)。
  • インスタの手書き手紙の投稿にファンがしてくれたコメントを読んで沢山泣いた。
  • 残るメンバー達が心配。より良いものにするためにラストアイドル・タイランドを解散させるのは分かる。結果としてより良いものになったのなら、より良くするための犠牲だと納得できる。でも解散までさせてより良くならなかったら、覚えておいて。私がツイッターに復帰したらハッシュタグ #RabbitMoonCorp で会おう(笑)。
  • あの日、解散発表が19時にあると知ったとき、らんまがBTS車内で目を真っ赤にして泣いている写真が仲良しグループのLINEグループで送られてきた。彼女はその時『365日の紙飛行機』を聴いていて感情移入したのもあって泣いていた。
  • 発表時、私もみんなもレッスンを受けている最中だった。一人残らず…だった。みんなの顔を見たら私も耐えられなかった。
  • 9月に入ると1-4日あたりに3rdシングルについての動きがあるはず。
  • 9月16日の3rdシングル初披露イベントの場所はUnion MallのG階(Google Map)。同じ日に上でBNK48の握手会もあると伝え聞いた。みなさんがG階にいてくれることを願ってますよ(笑)。
  • 10月には握手会や3rdシングル購入のTop Spenderイベントがある。握手会までにシングルの発送は間に合わない。握手券は別売りになるのかどうか私には分からない。
  • 11月19日にグループ全体の卒業コンサートがある。先に卒業した5人も参加するかは分からないが、26人全員に参加してほしい。
  • 18日には2ショット会がある。
  • 解散はメンバーにどうすることもできないが、メンバーにできることは3rdシングルを全力で良いものとして世に出してファンの皆さんに喜んでもらうこと。最後のシングルだとしても、ファンのみなさんの思い出に残るものにしたい。
  • ラストアイドルの最後の曲に違いないと考えている人がいると思うが、違う。オリジナルソングかもしれないって感じで。あちらはどうも日本の路線をなんとしても避けようとしているように見える。
  • 今までのように5-6曲出ることはない。プロモーションする曲とお別れの曲の2曲。
  • 「あの人はきっと私達に早く終わって欲しいんだよ(笑)」
  • 最後のシングルに選抜メンバーはない。ステージに21人が揃う。
  • センターはいる。
  • 近日中にMVの撮影が始まる。MVはプロモーションする曲の1曲のみ。予算がそれだけしかない。
  • もう1曲の方は聴いたらみなさん涙を流すかも。メンバー達もデモを聴いて泣いた。
  • 9月16日の初披露後すぐにメディア露出が始まる。最後の最後にプロモーションに力を入れてくれてありがとう(笑)。プロモーションでのインタビューで何て話すか考えている。「私達のニューシングルですよ。ラストシングルです。グループはこれをもって解散します」って言うべきか、どうしたらいいのか難しい。
  • 私はアイドルでいることが大好き。ファンが大好き。だから私達の最後は末永くレジェンドとなるものでなければならない(笑)。

まとめ

さまざまなことが語られましたが、どういった点に興味を持たれたでしょうか?

私はマーンムックがRabbit MoonとCEO氏に対してここまで不信感を露わにしたのが意外でした。以前からライブ配信で軽く批判めいたことは話していたのですが、今回で彼女の事務所に対する感情がはっきりした気がします。ライブ配信後、ファンが事務所について発言するSNS発信のトーンが批判から恨みに変化した理由が、後からライブ配信を観てようやく理解できました。

「Rabbit Moonには今後1バーツたりとも金を払わない」といったファンのSNS投稿を目にしました。私も他グループの事務所に対して全く同じ感情を抱いているので、なぜそこまで憤慨するに至ったのかも含めてその気持ちは十二分に理解できます。でも自分の怒りの導火線に火をつけるのは、もう少し待ってみます。

シングル曲の変更も興味深かったですが、逆に気がかりなのは残るメンバー達の処遇です。ここ数日、メンバーによってSNS投稿内容に明暗の差がくっきり表れてきているように私は感じています。機会を与えられず2年間飼い殺しの憂き目に遭うメンバーが出やしないか。ファンだけでなくマーンムックも今一番心配しているのはその点かもしれません。どうか私を含めまだ我慢しているファンらの導火線に火がついて怒りを爆発させる事態だけは、Rabbit Moonに避けてもらいたいものです。

 

参考:SMO LIVE Mahnmook 2023年8月31日

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